白内障の治療
治療方法は、進行状況によって点眼薬か手術かに分けられます。生活に問題がない程度であれば、まず点眼薬を使用して経過を観察します。点眼薬による治療は、病状の進行を抑えるだけのため、水晶体の濁りを取り除くことは出来ません。進行が止められない場合は、手術をする必要があります。
点眼薬で進行を抑えられず、生活に支障をきたしている場合は手術を行います。手術は、水晶体の中身を取り除き、水晶体の代わりとなる人工の眼内レンズを挿入します。手術にかかる時間は短く、安全性の高い手術方法です。
こんな時は手術を検討しましょう
- 生活に支障がでるほど視力が低下した
- 外出時にまぶしさを感じ、ものが見えづらくなった
- 視力が0.7以下に下がり、運転免許証の更新が出来なくなった
白内障の手術前検査
手術前検査では、手術を問題なく行えるかどうかの検査を行います。また、それとともに眼球の形状と挿入する眼内レンズの度数を計測します。挿入する眼内レンズは、ピントが固定されているので慎重に選ぶ必要があります。レンズ度数の選定は、専門家でなければ難しいので当院がサポートいたします。
白内障手術について
白内障を治してものを見る働きを回復させるには手術が必要です。白内障の手術は眼科の手術の中でも安全性と成功率の高い手術です。麻酔は点眼薬が中心なので痛みはありません。手術の所要時間も約10分と短く、手術中の痛みはありませんのでご安心ください。
白内障手術の流れ
- 1.黒目と白目の境目を2.4mm切開し、そこから、水晶体の前面のふくろを丸く切り取ります。
- 2.水晶体の中心にある核を超音波を使って砕きます。そして、厚さ10ミクロンの薄いふくろ1枚を残して砕いた水晶体を吸い取ります。
- 3.取り除いた水晶体の代わりに眼内レンズを入れます。レンズは折りたたみ式なので2.4mmの創からでも挿入可能です。また、一度入れたレンズは一生使えます。
度数を合わせた眼内レンズを挿入することで、正常な視力を取り戻すことが出来ます。通常、白内障手術では、単焦点眼内レンズを挿入しますが、当医院では多焦点眼内レンズにも対応いたしておりますので気になる方はご相談ください。
白内障手術後
手術後しばらくは、充血や異物感、眼のかすみ、涙が出るといった症状が現れますが、数日から1週間ほどで治まりますのでご安心ください。
術後は感染と炎症の防止のため点眼薬を使用します。最初の1ヶ月は点眼薬の種類が多いですが、その後は目に見えない程度の炎症を抑えるための点眼薬1種類となります、この1種類は4ヶ月間点眼します。傷口がしっかりとふさがるまでは、目の状態を慎重に見守るようにしましょう。また、無理のない程度であれば手術翌日からでも目は使えます。治りが早ければ仕事への復帰も早目に行えますが、回復の状態や仕事の内容によるため、復帰の時期は慎重に見極めていきましょう。
手術後の注意点
- 1.入浴は手術翌日から可能ですが、首から下に限られます。洗顔は、手術当日から7日後までは水をかけないように濡れタオルなどでやさしく拭きましょう。この時、目を直接刺激しないように注意してください。経過にもよりますが、大体1週間程で、普段どおりの入浴・洗顔が可能です。
- 2.手術後1週間ほどは目を押す、こするなど、刺激を与えないようにしてください。傷口が回復していないため、感染や炎症を起こす可能性があります。
- 3.傷口が回復するまでしばらくの間は、目が疲れやすくなっています。負担をかけすぎないよう注意を払ってください。
- 4.点眼薬は、忘れないように必ずさしてください。
当院で使用している主な手術機器
当医院では、最先端の医療器具を使い完成度の高い手術を行っております。
手術顕微鏡
- ・カールツァイス社製 OPMI Lumera T
- 当院では、手術顕微鏡に”OPMI Lumera T”を使用しております。この”Lumera(ルメラ)”は、世界中で評価の高いカールツァイス社製の顕微鏡です。手術で重要となる”見える”ことに特化しており、高い精度の手術が行えます。
白内障・硝子体手術装置
- ・アルコン社製 Constellation(コンステレーション)
- アルコン社製のConstellation(コンステレーション)は、白内障のみならず硝子体手術も可能な最新の手術機器です。機器の先端で超音波により水晶体を砕いて吸引します。この機器を採用することで、より安全性と完成度の高い手術を実現しています。