シャーリーズ・セロン主演の、スパイアクション映画だ。2017年10月に映画館で観た。BDで見直したのは先月だ。監督はデビッド・リーチ。シャーリーズ・セロンは制作も兼任している。舞台は、ベルリンの壁崩壊が迫る1989年のベルリン。MI6所属の、ブロンドの女スパイ、ローレン・ブロートンの活躍が描かれる。
1980年代のヒット曲の数々が劇中流れる。とくに懐かしさを掻き立てられたのは、2曲目、オープニング・タイトルバックで使われた、デヴィッド・ボウイの「プッティング・アウト・ファイア」だ。この曲は、1982年の映画「キャット・ピープル」の主題歌である。
筆者が最大の敬慕の念を捧げる女優、ナスターシャ・キンスキーは、ロマン・ポランスキー監督の映画「テス」を出世作として全世界で賞賛を浴びた。この映画のナスターシャ・キンスキーの美しさは驚異にほかならなかった。次に日本で公開された主演作が「キャット・ピープル」だ。黒豹に変身する一族を描いた伝奇物語である。マルコム・マクダウェルが兄の役で出演した。
クイーン&デヴィッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー」が、「アトミック・ブロンド」の最後に背景を飾る。奇しくも、クイーンのフレディ・マーキュリーを描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」の公開が2018年11月9日に迫っている。この映画も必見だ。
シャーリーズ・セロンは2005年の映画「イーオン・フラックス」で、2415年の未来を舞台としてアクションを披露している。監督はカリン・クサマ。この映画では、SFXとVFXを多用して未来のアクションが描かれ、敵役はイーオンのすごい能力で一瞬のうちに倒された。
「アトミック・ブロンド」は、拳銃アクションもあるが、中心となるのは肉弾戦のアクションである。役作りのために8人のトレーナーとトレーニングに励んだということだ。本格的な格闘であり、「イーオン・フラックス」と異なり、一人ひとりを確実に倒していかなければならない。青あざの痛みが実感できる。総じて、魅力ある主人公の実体感のあるアクション映画と評すればいいだろうか。