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クリストファー・ランバート、ショーン・コネリー「ハイランダー」

映画「ボヘミアン・ラプソディ」の感動に酔いしれたまま、クイーンの楽曲が7曲使用された映画「ハイランダー1」を見直した。1986年の作品だ。7曲中6曲がアルバム「カインド・オブ・マジック」に収録されている。ハイランダーとはスコットランド北部のハイランド地方の住民を指し、タータンチェックのキルトが伝統衣装である。クリストファー・ランバート演じるコナー・マクラウドは、1536年にハイランダーとして戦った時に「不死の者」として覚醒した。この世界には首をはねられない限り死なない不老不死の戦士たちがいて、最後の一人になるまで互いに闘い合い「集合の時」に至るという。

「不死の者」となる条件などは説明されないし、紀元前に作られた日本刀の謎もうやむやとなっていて、DVDのケースにはSF映画と書かれているがオカルト映画のカテゴリーにはいる。回想される16世紀のハイランドの光景は素敵だ。マクラウドの剣の師となり友人となる、スペイン王室冶金長官ホアン・ラミレスをショーン・コネリーが演じる。その伊達男ぶりは健在だ。完全に主役を食っている。これに対し、マクラウドのマディソンスクエアガーデンでの登場シーンは、白いスニーカーに日本刀を隠し持つためのトレンチコートと、ヤッピーファッションでダサく見える。もっとも、今年の流行から言えば、最新のおしゃれにあてはまるのかもしれないが。

続編の「ハイランダー2」は、一般には三流映画という評価が定着してるが、私は好きだ。クイーンの曲もないし、ハイランドの風景もないが。神秘主義を排除、SF的説明があり論理的である。なによりショーン・コネリーの出番が増えて、いい科白が多い。500年の眠りから甦ったラミレスは、自分の服装が時代に合わないことを察して、高級紳士服店で服を誂える。この場面がとてもいい。首刈り機械に追い詰められ絶体絶命となったときの科白「いのちを集中する、一時に、一点に、その時達成する、栄光を」を、私は、手術準備の際に集中するためいつも唱えていた。