ちくわぶをこよなく愛するちくわぶ料理研究家、丸山晶代の著作を読破した。このブログの筆者もちくわぶラヴであり、Webで紹介記事を読み購入したのだ。
この本にも触れられているが、赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」のチビ太がいつも持っている串に刺さったおでんは小学生の時から憧れだった。上から三角、丸、ギザギザの横棒となる。三角はコンニャクで、横棒はちくわぶと信じていた。丸も本書を読むまではつくねだと思っていた。がんもどきでは大きすぎるのではないか。「おそ松くん」の時代より後、高度成長期の物価上昇の時代、ダウンサイジングが進行していたのだろう。そのサイズ感に筆者は囚われているのに違いない。
小学校の放課後、公園で遊んでいるとまれにおでんの屋台がやって来ることがあった。乏しい小学生のお小遣い事情が許せば、ちくわぶ1個だけ買ったのだ。1年に1度あるかないかのぜいたくだった。
筆者は2歳から17歳まで、東京の目黒区原町に住んでいた。山の手の下町と言われる地区だったが、この地域ではちくわぶがごく普通の食べ物だったのは間違いない。メリケン粉の固まりで、栄養分はほとんど炭水化物と、ちくわぶが好きでない人がいるのは確かだが、東京近郊だけで食べられているのを知ったのは最近のことでびっくりした。
メリケン粉:小麦粉のこと。筆者の親の世代はメリケン粉と呼んでいた。
おでん以外の、ちくわぶを用いたレシピも数多く紹介されている。
ちくわぶ全国拡散をめざす同志よ。まずこの本を手に取ることから始めよう。