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アラバール作、生田みゆき演出「建築家とアッシリア皇帝」

2022.12.4にシアタートラムで、劇作家フェルナンド・アラバールの代表作「建築家とアッシリア皇帝」を観た。前から4列目で中央近くのいい席だった。田ノ口誠悟の新訳で、生田みゆき演出、二人芝居で岡本健一、成河出演。

絶対にチケットが取れるように、確率を上げるため自社のチケット先行販売が利用できる、世田谷パブリックシアター友の会に入会した。イープラス、ぴあなどの大手は避けたのだ。

二人の俳優、岡本健一と成河の演技は冴えていて、切れ味良く、充分に楽しめた。

アラバールの演劇は、1970年代に芝居を齧った筆者には原点にあたる。懐かしい。テアトル・パニック(恐慌の演劇)と自らの作品を称したアラバールだが、ベケット、イヨネスコに続く、不条理演劇の第二世代とも位置付けられる。

不条理演劇のストーリー性のない、「関係」でできた世界。舞台から、ループ量子重力理論の提唱者、カルロ・ロヴェッリの著書「世界は関係でできている」で語られた哲学のアナロジーを感じ取った。1967年のパリでの初演から55年経つが、今でも生き生きとした刺激をもたらしてくれる作品だ。

1970年代後半に購入した宮原庸太郎訳の戯曲集。