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吉田鋼太郎演出、小栗旬出演「ジョン王」

彩の国シェイクスピア・シリーズとして、蜷川幸雄の後を継いだ吉田鋼太郎演出の「ジョン王」は、最初2020年6月に彩の国さいたま芸術劇場で上演が予定されていた。小栗旬出演で、チケットがどうしても取れないほど人気を集めていた公演だったが、緊急事態宣言で全公演が中止。

このままでは、シェイクスピア全37戯曲の完全上演の目標が達成できていないと、2022年12月〜2023年2月の上演が決定された。東京公演の会場はシアターコクーン。前回のチケット取りで懲りていたので、劇場に足を運ぶための努力はしないで、Bunkamura STREAMINGでの映像配信で視聴した。

小栗旬が、最もセリフの多い私生児フィリップを演じるが、主要な役はすべて充実した出番がある群像劇として描かれている。印象に強く残ったのは、吉原光夫のジョン王と玉置玲央のコンスタンスだ。

高校の世界史で勉強した、王の権限に制限を加えるマグナ・カルタについて、シェイクスピアはいっさい触れていない。

この「ジョン王」は、今日ではシェイクスピア劇の中でもっとも人気がない作品と言われている。それもあって今回の上演には注目が集まったのだろう。