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新大久保、韓国料理「ハレルヤ」閉店

ハレルヤのプルコギ

1977年創業の韓国家庭料理の老舗「ハレルヤ」が2023年2月26日をもって閉店しました。移り変わりの激しい新大久保の店の中では、古くから続く固定客の多い店でした。

経営者は、筆者の都立青山高校時代の同級生。彼はラグビー部でした。筆者はハンドボールサークルでしたが、右手小指を3回骨折して参加できなくなっていました。

高2の文化祭の時、クラスの出し物が映画と決まって、彼がサミュエル・ベケットのシナリオを映画にしたいと持ってきた時から、深く関わらせていただきました。シナリオのタイトルは確か、「film」という名だったような。フランス語で「映画」という意味です。8ミリ映画を撮影し、上映に漕ぎ着けました。この時代は一般人が扱えるようなビデオカメラは存在していませんでした。

味が保証できる、安心して食べに行ける韓国料理店は、他には思いつきません。

ハレルヤのサイトをじっくり見たところ、時期は決まっていないが移転しますとあります。新しい店の場所は書かれていません。まだ決まっていないのでしょうか。

劉慈欣「三体0 球状閃電」

「三体」の雑誌での連載は、2006年に始まった。本書「三体0 球状閃電」は、2005年に単行本として刊行。「三体」の前日譚にあたる。

現在においても、そのメカニズムがわかっていない自然現象、球電。主人公の陳は、14歳の誕生日に、球電により両親を灰にされた。その後の人生を球電研究に捧げることになる。

球電が目撃された泰山で、球電の兵器利用を追求しようとする博士課程の女性、林雲に、陳は出会う。林雲はその後、新概念兵器開発センター少佐となり、陳と共に球電研究にのめり込んでいく。

幾多の失敗を経験したあと、陳は球電が未知の空間構造ではないかという仮説を立てる。仮説の検証は、今の研究チームの能力を超える。「三体」シリーズで重要な役割を果たす、世界的理論物理学者、丁儀が仲間に加わる。

思いもよらない概念の出現、加速度的な展開のハードSF。それでいて人間も描かれる。読み進むにつれ邦訳版の「三体0」というネーミングが、当を得たものだったことがわかってくる。

「三体0」および「三体」とは無関係だが、スターリンによる大粛清を描いた、ニキータ・ミハルコフ監督の映画「太陽に灼かれて」のラストシーンで、光の玉が部屋の中に入ってきて、何も起こさず窓をすり抜けて出ていく。筆者は球電だと思っているが、誰もコメントしていない。どうなんだろう。1994年ロシア・フランス合作で、第67回アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞作。