ベルトルッチのファシスト3部作の第1作、「暗殺のオペラ」をAmazon prime videoで見直した。イタリアでの公開は1970年だが、日本での公開は1979年であり、リアルタイムで映画館で観ているのだ。第2作の「暗殺の森」はイタリア公開は1970年、日本での公開は1972年であり、映画館でヨーロッパ映画を見るような、おませな年齢に筆者は達していなかった。後になってからレンタルビデオで観た。第3作「1900年」は、イタリア1976年、日本1982年で、5時間16分の大作だが映画館で観ている。
「1900年」は DVD販売まで、気が遠くなるほど待たされたが、「暗殺のオペラ」のDVD、BDも権利問題で長らく手に入らなかった。今は配信で見れるので、幻の映画ではなくなった。
あらすじはそっくりそのまま引用する。ムッソリーニによるファシズム政権下の1936年、ひとりの抵抗運動の闘士が北イタリアの小さな町の劇場でオペラを観劇中、何者かに暗殺されるという事件が発生。凶弾に倒れたアトスは以後、町の伝説的英雄として語り継がれる存在に。彼の名と面影をそっくり受け継いだ息子のアトスは、事件から20数年後、父の愛人だったドレイファスから招かれて町を訪れ、今なお多くの謎に包まれた父親の死の真相の解明に乗り出すのだが…。[シネフィル]
サーカスから逃げたライオンが死に、ライオン料理となって運ばれてくるというエピソードがある。このメタファーてんこもりのシーンの意味するものはなんだったのだろう。権力者にあらがうという意味と捉えるのが一般的な解釈。タイトルロールにもライオンの絵が描かれているので、なにか重要なものがあるはずなんだが。
一緒に見に行ったクリエイターの人が、取ってつけたようなシーンだと猛烈に批判していたので覚えていた。
原作はJ.L.ボルヘスの小説「裏切り者と英雄のテーマ」。「伝奇集」に収められているが、読んでいなかった。