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ロバート・W・チェンバース「イスの令嬢」The Demoiselle d’Ys

チェンバースの短編集「黄衣の王」の第5の話「イスの令嬢」を読み返してみた。この話に筆者は以前から深く心惹かれている。

「黄衣の王」は、ラヴクラフトに認められたことから、クトゥルフ神話体系に取り込まれている。クトゥルフものと呼べるのは最初の4篇であり、最近の翻訳ではこの4篇のみが取り上げられることも多い。

ハスターという名の鷹匠が登場はするが、「イスの令嬢」はクトゥルフとは無関係の怪談話として扱われてしまう。Web上には、無料の邦訳が公開されている。

https://www.asahi-net.or.jp/~yz8h-td/misc/demoiselledYsJ.html

道に迷った結果、古フランス語を操る伯爵の地位を持つ女性、ジャンヌ嬢と恋に落ちる。令嬢は鷹匠を何人か抱えており、自分も鷹匠としての修練に励んでいた。

瀧内公美主演「彼女の人生は間違いじゃない」

瀧内公美が主役の金沢みゆきを演じる。2017年の映画。場所は福島。レンタルDVDで観た。

震災で母を失い、自宅は汚染地域にあり仮設住宅で父と暮らしながら、昼間は地元の市役所で働き、週末は東京・渋谷でデリヘル嬢をやっている。

瀧内公美は、実際にデリヘルをしている女の子などから取材して役作りをした。東北の娘が「地元にいると自分が保てなくなりそうになった」と言っていたのが印象的と発言している。

監督は廣木隆一。同名の自作小説の映画化である。監督は福島出身。

2020年の映画「アンダードッグ」でシングルマザーのデリヘル嬢、明美を演じていたのも瀧内公美だったことに今まで気がつかなかった、