月別アーカイブ: 2024年4月

陸秋槎「文学少女対数学少女」

中国出身の小説家、陸秋槎のミステリー「文学少女対数学少女」を読んだ。邦訳順で言えば、デビュー作「元年春之祭」は、文体に苦労したが読了。良かった。第2作「雪が白いとき、かつそのときに限り」は読書中。「文学少女対数学少女」は第3作にあたる。

紹介文はWeb上のあちこちにあるものから引用する。

高校2年生の“文学少女”陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才“数学少女”韓采蘆と出逢う。彼女は作者の陸さえ予想だにしない真相を導き出して……“犯人当て”をめぐる論理の探求「連続体仮説」、数学史上最大の難問を小説化してしまう「フェルマー最後の事件」のほか、ふたりが出逢う様々な謎とともに新たな作中作が提示されていく全4篇の連作集。

「連続体仮説」の中で触れられた無限集合の濃度。高校2年以来であり懐かしさがこみ上げてきた。教科書の範囲を超えた数学の興味ある分野は、かつては本を買って独学したのだった。高校3年では大学受験数学に追われて、自由に数学を勉強する時間はなくなってしまったが。

陸秋槎も読んだ、サイモン・シンのノンフィクション「フェルマーの最終定理」を、筆者も2004年に単行本で読んでいる。

「文学少女対数学少女」とは無関係だが、筆者の大学教養課程の数学、教科書だった高木貞治の「解析概論」と齋藤正彦の「線形代数入門」、いい加減に済ましてしまったが心残りで再挑戦してみたい気持ちはある。すでに数学的能力は衰えきっているだろうけど。