SFの女王コニー・ウィリスの新刊。期待に違わず、楽しく読めました。もしあなたがすでにコニー・ウィリスのファンであるなら、説明は不要でしょう。
コニー・ウィリスの長編小説の初心者であるなら、紙本で2段組715ページという長さに怯まずに読み始めてください。テンポよく軽快に話が進みます。ストーリー・テリングのうまさには脱帽しました。コミュニケーションの未来がテーマとなっています。
「クロストーク」の前に出版された、「ブラックアウト」「オール・クリア」は両方合わせて1つの話ですが、全部で1776ページあるんですから。オックスフォード大学航時史学科シリーズの1つであるこの本も面白い。読んでいる間わくわく感が止まりませんでした。ダンケルクの戦い、ロンドン大空襲、ノルマンディー上陸作戦などが舞台となります。
本格的にコニー・ウィリスを読み始めようと考えるなら、オックスフォード航時史学科シリーズの第1作「ドゥームズデイ・ブック」からスタートを切ることを勧めます。自分がそうしたからですが、深い感動を味わいました。14世紀のペスト禍が描かれます。オックスフォード航時史学科シリーズは、この後「犬は勘定に入れません」、先に述べた「ブラックアウト」「オール・クリア」と続きます。
短編小説では「女王様でも」「最後のウィネベーゴ」「マーブル・アーチの風」の印象が強く残っています。