ジャック・モノー「偶然と必然」渡辺格・村上光彦訳

4冊目。ジャック・モノーはノーベル生理学・医学賞を1965年に受賞したフランスの分子生物学者です。「偶然と必然」は1970年の書籍で、日本語訳が出たのが1972年。筆者は大学の教養課程1年の時(1975年)に読みました。

生物とは何かということから考察が始まります。

分子生物学の立場からダーウィンの進化論を解釈し、キリスト教的世界観と、マルクス主義の弁証法的発展に則って進化があるとする思想を妄言として切り捨てました。今では当たり前と言える主張ですが、発表当時は論争を呼んだということです。

論証は明解で力強く、科学的思考法のあり方に誇りを持たせてくれる本でした。