2015年の映画。映画「アンダーワールド」シリーズを支えたケイト・ベッキンセイルと、映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」で主役のひとりローレリーヌを演じた、モデルと女優で活躍するカーラ・デルヴィーニュが共演している。レンタルDVDで観た。
監督は、マイケル・ウィンターボトム。
4年前にイタリアのシエナで、イギリス人留学生エリザベスが殺害された。ルームメイトのアメリカ人留学生ジェシカとその恋人が殺人犯として逮捕され、一審判決は有罪だった。控訴審が始まっている。
映画監督で脚本家の、トーマス(ダニエル・ブリュール)が事件の映画化のための調査でシエナに来た。年代の違うふたりの女性と良い仲になるも、映画の構想はまとまらず、脚本は遅々として進まない。
メディアやプロダクションが考える、一般受けする映画の脚本を書くことには抵抗がある。ゲーテの「神曲」三部作の構成を取り入れようと誇大妄想を抱いてみたり、知人が真犯人ではないかと疑って、馬鹿げた振る舞いをしてしまう。そして、「神曲」の第三部「天国篇」のみに従って、被害者エリザベスを讃える映画を作ろうと決意する。
前作品が失敗に終わったトーマスの復帰作となるはずだが、見ていてとにかく仕事が遅いのにイライラさせられた。ケイト・ベッキンセイルとカーラ・デルヴィーニュとの逢瀬が中心となって描かれる。緻密な犯罪サスペンス映画を期待して観てはいけない。