チェンバースの短編集「黄衣の王」の第5の話「イスの令嬢」を読み返してみた。この話に筆者は以前から深く心惹かれている。
「黄衣の王」は、ラヴクラフトに認められたことから、クトゥルフ神話体系に取り込まれている。クトゥルフものと呼べるのは最初の4篇であり、最近の翻訳ではこの4篇のみが取り上げられることも多い。
ハスターという名の鷹匠が登場はするが、「イスの令嬢」はクトゥルフとは無関係の怪談話として扱われてしまう。Web上には、無料の邦訳が公開されている。
https://www.asahi-net.or.jp/~yz8h-td/misc/demoiselledYsJ.html
道に迷った結果、古フランス語を操る伯爵の地位を持つ女性、ジャンヌ嬢と恋に落ちる。令嬢は鷹匠を何人か抱えており、自分も鷹匠としての修練に励んでいた。