ヴィム・ヴェンダース「まわり道」

ヴィム・ヴェンダース ニューマスターBlu-ray BOX IとしてラインナップされたBDで、映画「まわり道」を観た。1975年の作品である。

「まわり道」は、ロードムービー三部作の第2作に当たる。第1作が以前このブログでも触れている、「都会のアリス」だ。ブログでは一部辛辣なコメントも付けたが、じわじわと映画の良さが思い出され、BD BOX Iを手に入れることになった。

第2作「まわり道」はペーター・ハントケ脚本で、ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』が下敷きにされている。登場人物の名も同作から。

筆者はオペラに全くと言っていいほど接していないので、ミニョンという名に対して感情をかき乱されるようなものは持っていない。オペラ「ミニョン」をかろうじて知ってはいたが。

この芸人の少女ミニョンを、本作が映画デビューとなるナスターシャ・キンスキーが演じている。彼女は映画公開時は14歳であり、撮影時は13歳だったようだ。幼さを残していながら、女性としての魅力を充分に発揮している。

作家志望の主人公の青年ヴィルヘルムが旅立ち、様々な人と出会い、ともに過ごしながらも別れていく。最後にドイツ最高峰のツークシュピッツェにたどり着いた時には、彼一人となっていた。