最初に私たちは平山の1日をしっかりと追う。そしてそれは繰り返される。けれどそれは平山にとって繰り返しではない。いつもすべてが新しいのだ。
脚本の冒頭にこう書いてあるそうだ。
ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画「PERFECT DAYS」を2024/1/3映画館で観た。
トイレ清掃員、平山の毎日が描かれる。
仕事で使う軽自動車の中で、ミュージック・カセットテープを必ず聞く。パティ・スミスのアルバム「Horses」の中の「REDONDO BEACH」が物語上重要な役割を担っていたので嬉しくなった。でも、他の70年代の楽曲は知らなかった。
浮浪者役、田中泯の「をどり」が目を惹く。薄れた記憶から拾い上げると、筆者は70年代にハイパーダンスを観ている。陰茎に包帯を巻いただけで、褐色に塗った裸体で踊った。
今回の映画は、渋谷区の公共トイレを著名なクリエイターの手により新たにデザインする、THE TOKYO TOILETプロジェクトから生まれた。日に3回は清掃が入りとてもきれいだ。対照として、陸秋槎が「ガーンズバック変換」の中で紹介してくれた映画「トレインスポッティング」冒頭の汚物まみれのトイレを思い出した。