高山一実原作 映画「トラペジウム」

乃木坂46 一期生、現役のアイドルが2018年に小説を出版した。30万部の大ヒットとなり、アニメ映画が公開中である。

城州東高校1年生の東ゆうは、他の3つの方角、西、南、北の美少女を仲間にして、アイドルとしてデビューするセルフプロデュースを行なっている。身勝手で強引な意図から始まった計画だが、「東西南北」の4人はとても仲の良い友達となった。

ロボコン大会、文化祭などのイベントを経て、北の少女、亀井美嘉が行っていたボランティア活動に参加した4人は、ゆうの目論見どおりテレビ出演を果たし、そこから「東西南北」アイドルデビュープロジェクトが発動された。しかし問題が発覚した。

ちょうど筆者の高校(都立青山高校)のクラス会が、50年の時を隔てて開催された。学年全体での同期会は2010年に始まっていたが、クラス単位で集まるのは初めてだったのだ。物故者を含めて総勢44名の半数22名がLINEでつながり、夜の会にはそのうちの16名が参加した。このメンバーで過ごした期間はたったの2年間。過去を振り返る内容よりも、圧倒的に現在やこれからの話題が中心だった。

「東西南北」4人の友情は壊れず続いている。これがどんなに貴重なことか。細切れの「トラペジウム」本編映像は、YouTubeで公開されている。「彼氏がいるんだったら友達にならなきゃよかった」編は、ゆうの主人公らしからぬ言動が注目を集めた。