ブリジット・フォンダの抜けるような白い肌に感銘を受けたことがあるなら、観ないわけにはいかない映画。DVDになっていない。吉田博昭監督作品。
日本人青年実業家のスギタ(村上弘明)は、ピッツバーグ郊外の製鉄所跡地を買収し大遊園地を建設しようとしていた。彼の妻、クリスをブリジット・フォンダが演じる。スギタは、製鉄所内で何者かに襲われ瀕死の重症を負った。
1991年の映画で日本はバブル経済の最期の足掻きの時期。現実では、その後の経済復興に失敗し失われた30年の始まりの時だ。これに対し、現実のピッツバーグの方は、1970年代に地元鉄鋼業が衰退に転じ工場は相次いで閉鎖に追い込まれ、街には大量の失業者があふれた。しかし1980年代には、従前の産業構造から脱却し、ハイテク、保険、教育、金融を中心とした地域経済へと移行することにより活気を取り戻している。
製鉄所跡の廃墟、巨大な鉄の迷宮は描き出されている。これに対峙する存在が、御曹司のコキュの道化ではちょっと。あの頃は、ダブルのスーツが流行ったなあと男性ファッションの懐古に浸るしかない。
あくまでも、ブリジット・フォンダを観るために時間を割いているのだ。