ヴィクトリア・アブリル主演「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」

1995年のスペイン映画。DVDになっていない。アグスティン・ディアス・ヤネス監督。タイトルが長いことで有名な映画だが、なかなかの名作だと思う。

メキシコシティ。麻薬取引の場に呼ばれた売春婦グロリア(ヴィクトリア・アブリル)の目の前で、潜入捜査の二人の刑事が殺された。マネーロンダリングの組織ファイルが彼女の手に渡る。グロリアはマドリッドに送還された。夫は人気闘牛士だったが牛に突かれて3年前から植物状態。姑のマリア(ピラル・バルデム)が息子を看病し、アパートのローンを返済してきた。彼女はグロリアに何も問いたださず、ただ自立した女になれと説教する。グロリアはアル中、中卒の定職を持たない売春婦で精神的に情けなく弱い。

スペイン人にとって最大のご馳走であるメルルーサは怖い顔をしてる。姑の友人達とのホームパーティで、グロリアはメルルーサ料理を振る舞いたかった。定職探しに頑張っていたのに、アル中の売春婦に戻ってしまう。

半分は組織の内紛のため、残り半分は自力で暗殺の手を逃れた。姑の支援が功を奏して、弱かったグロリアはゆっくりと強くなっていく。