古橋秀之「ある日、爆弾がおちてきて」

2017年メディアワークス文庫版

2005年電撃文庫版

最近気がつきました。古橋秀之の珠玉の短編集、「ある日、爆弾がおちてきて」が新装版となってメディアワークス文庫から2017年5月に復刊されていたことを。「時間SFもの」で統一した、ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーズです。旧版は電撃文庫から2005年10月に出版されました。今回の新装版では、書き下ろしの短編が1本追加されています。

新海誠監督の2016年のアニメ映画「君の名は。」で、3年の時を超えて少年と少女が出会います。似た設定の話をどこかで読んだはずだという記憶を手繰って、「ある日、爆弾がおちてきて」に収録された「三時間目のまどか」を思い出しました。

ここで脱線します。古くからの新海誠のファンとしては、「秒速5センチメートル」のせつない思いはとても大切なものです。「君の名は。」を観た方は、ぜひとも「秒速5センチメートル」も観てください。

大森望編のアンソロジー

さて、電撃文庫版は手に入らなくなっていたのですが、いろいろ調べて大森望編集のアンソロジー「不思議の扉 午後の教室」に「三時間目のまどか」が収載されていることを知りました。無事、2016年のうちに読み直すことができました。

ジャック・フィニイの短編集「ゲイルズバーグの春を愛す」

時間を隔てた恋愛を描いたSFの原点は、ジャック・フィニイの「愛の手紙」だということです。「ゲイルズバーグの春を愛す」に載っています。いろいろなレビューに書かれているとおり、ラストの翻訳のニュアンスが原文と異なります。