「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」

スマホゲームFate/Grand Orderが流行ってる。職場のスタッフの何人かに勧誘された。Fate関連のアニメはだいたい観てるが、FGOは遊んでいない。リヨの漫画「マンガで分かるFGO!」を先に読んでしまったので、宝具演出がスキップできなくて、ゲームに時間を取られすぎると筆者が思い込んでいるからだ。もともとのFateの世界は、アーサー王と聖杯伝説から始まる。

筆者にとってアーサー王と聖杯伝説の原点は、1979年に某大学の文化祭で観た「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」だ。何度もDVDで見直している。モンティ・パイソンはケンブリッジ大学とオックスフォード大学のコメディサークルから生まれた知的なコメディグループで、モンティ・パイソン以前と以後でコメディの歴史が変わったと言われるほどその影響力は強かった。この映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」は、低予算で馬1匹も出せず、役者はみんな何通りもの役をこなしている。低予算を逆手に取ったギャグがてんこ盛りだ。「未来世紀ブラジル」、「12モンキーズ」などの名作映画をこの世に送り出すことになるテリー・ギリアムと、歴史学者でもあるテリー・ジョーンズの2人が共同監督をした。

トマス・ブルフィンチの「中世騎士物語」を読んで、アーサー王伝説の全体像を捉えたのは、映画よりずっと後になってからだ。岩に刺さった選定の剣とエクスカリバーは別物であることを知った時はショックだった。その前にハービー・ブレナンのゲームブック「グレイルクエスト」(当時の名称はドラゴン・ファンタジー)をやった。フーゴ・ハルの挿絵では、魔術師マーリンがディズニーの映画「ファンタジア」の「魔法使いの弟子」に出てくる魔法使いのようなコスチュームで描かれている。このマーリンのお喋りは、とても印象的だった。筆者がジェンダーを無視して、自分の娘の名をこの偉大な魔法使いからいただいたぐらいにだ。

Fateの世界では、アーサー王、アルトリア・ペンドラゴンは女性として描かれている。川澄綾子が声を演った。リヨぐだ子がただ「青い」と表現したのが彼女だ。ジェンダーの変換は、筆者のほうが早かった。