目が痛い
「目が痛い」という症状は、大まかに「目の中に異物感がある」「目の中がゴロゴロする」「目の奥の方が痛い」「眼の表面が痛くて涙が出る」といった4種類に分けることができます。
「目の中に異物感がある」のは、角膜・結膜異物が考えられます。これは目に異物が入っている状態で、すぐに取り除かなければいけません。目を洗いで取れないようであれば、眼科で取り除いてもらいましょう。
「目の中がゴロゴロする」と感じるようであれば、それはドライアイや結膜炎かもしれません。ディスプレイの見過ぎで瞬きが減り、目が乾燥している状態が慢性化するとドライアイになります。またコンタクトレンズを間違った方法で使用し続けると衛生状態が悪くなり、結膜炎を発症することもあります。また、年齢とともに涙の分泌は減っていきドライアイをおこしやすくなります。
「目の奥の方が痛い」という症状は眼精疲労が原因と考えられます。目の酷使が続き、充分な休養をとらないでいると眼精疲労になる可能性が高まります。症状の緩和の早道としては、適度な休養を取ることです。それでも症状が快方に向かわなければ眼科医に相談してみましょう。
「目の表面が痛くて涙が出る」場合は、ヘルペスウイルスによる角膜ヘルペスの疑いがあります。角膜ヘルペスの「上皮型」は抗ウイルス薬を使用し、1ヶ月程度で治療することができます。「実質型」の治療には抗ウイルス剤とステロイドを使用しますが、治療に数ヶ月かかることもあります。どちらの場合でも医師の正確な診断が必要です。
目がかゆい
「目がかゆい」という症状を引き起こす主な原因は「アレルギー性結膜炎」と「感染性結膜炎」です。ですが、「ドライアイ」や「ものもらい」が原因となるケースもあります。
花粉などのアレルギーが原因となる「アレルギー性結膜炎」は、抗アレルギー点眼薬の使用、もしくは内服薬を服用することで治療を行います。アレルギー性結膜炎の場合は対症療法よりも予防が重要になってきます。自分の症状と原因に合った予防策をほどこす、生活習慣を考えることが抜本的な治療に繋がります。
ウイルス感染が原因となる「感染性結膜炎」は、炎症を抑える点眼薬を使って治療を進めていきます。ただし「感染性結膜炎」には「ウイルス性結膜炎」と「細菌性結膜炎」があり、この2つは治療方法が異なるので医師の診断を受けましょう。
目の乾燥が原因の「ドライアイ」や、細菌感染が原因で起こる「ものもらい」がその他の症状として挙げられます。いずれの場合も眼科医の適切な診断と治療が重要です。
目がかすむ
「目がかすむ」原因として「屈折異常」「老視」「白内障」「緑内障」の初期症状、もしくは「眼精疲労」「ドライアイ」が挙げられます。それぞれが違う病気なので、治療には医師の適切な診断が必要です。
近視・遠視・乱視の総称である「屈折異常」は、光の焦点がうまく合わなくなった状態です。どの症状でもメガネやコンタクトレンズを使用して矯正するのが一般的な方法です。
「老視」の初期症状で起こる目のかすみは、目の中の水晶体の弾力が低下して、ピントの調節機能が衰えていくことが原因です。医師のもとで自分に合った老眼鏡を処方してもらいましょう。
「白内障」及び「緑内障」の進行過程で、目がかすむという症状が出てくることがあります。目がかすむだけでなく、視力低下や視界不良といった症状は「白内障」の初期症状です。また、気づかない内に視野が狭くなっていくのが「緑内障」の症状です。いずれも早期段階での治療が重要になる目の病気です。
「眼精疲労」による目のかすみは、頭痛や肩こりを併発することがあります。眼精疲労の原因は、眼の疾患・身体・環境など様々な要因が挙げられます。眼精疲労を治療するには、生活習慣の改善、それでも症状が良くならなければ眼科で診断してもらうといいでしょう。
「ドライアイ」を発症しても目がかすんでいると感じることがあります。原因として、ディスプレイを長時間見過ぎること・部屋の乾燥・長時間の運転などがあります。医師による診断を元に生活習慣を改善することで治療することが可能です。また、年齢とともに涙の分泌は減っていきドライアイをおこしやすくなります。点眼治療が必要です。
まばたきが多い
「まばたきが多い」という症状は「ドライアイ」「眼精疲労」「眼瞼けいれん」「子供のチック症」が原因と考えられています。原因がなんであっても、自分で判断するのは危険です。気になる場合は、眼科を受診し、眼科医に診察してもらいましょう。
目が乾燥している状態を「ドライアイ」といい、まばたきの回数が増加するという特徴があります。ディスプレイを長時間見ている・部屋の乾燥・長距離運転などが発症の要因とされています。医師の適切な診断のもと、生活習慣を改善と治療をすることで症状は快方に向かいます。
「眼精疲労」が原因の場合、まばたきが多くなるだけでなく頭痛・目のかすみ・肩こりなども併発することがあります。目の病気以外にも身体的な要因や環境的な要因が作用していることもあります。その中で、生活習慣を見直すだけで症状が改善した、というケースもあります。しかし、症状が一向に良くならないようであれば、専門機関で原因究明・症状緩和を試みるといいかもしれません。
「眼瞼痙攣」になるとまばたきが増え、無意識に瞼が動いてしまう、といった症状が出ます。「ドライアイ」とは違い、症状が進行していくと目が開けられなくなることもあります。瞼が痙攣している、と感じた場合は眼科医で診てもらいましょう。
また5~10歳程度の子供に見られる「子供のチック症」でもまばたきが増加します。まばたき以外にも突発的・無目的に体が動いたり、声を発したりします。治療にはまず、病気を理解することがとても大事です。薬を服用することもありますが、15歳くらいを期に症状は緩和していく傾向にあります。
視野が狭い
「視野が狭い」と感じられる時は「緑内障」「網膜色素変性症」「網膜剥離」が疑われます。いずれの病気も眼科医の適切な診断による治療が必要です。
「緑内障」による視野欠損を自覚症状として感じた時には、既に病状がかなり進行している可能性が高いです。点眼薬の使用やレーザー照射による治療を施し、症状の進行を食い止めていきます。緑内障は中高年で発病しやすい病気です。定期的に検査を受けると予防・早期発見に繋がります。
遺伝子の異常で起こる「網膜色素変性症」にかかると、「視野が狭くなる」以外に「夜盲症」「視力低下」などの症状が出ます。現在、網膜を元の状態に戻す根本的な方法はなく、専用の遮光メガネをつける、内服薬を服用するなどの対症療法が主です。
眼球の外傷あるいは加齢による硝子体牽引で、網膜に孔があいて起こる「網膜剥離」でも視野が狭くなります。視野狭窄や視力低下の前兆として蚊が飛ぶように感じる「飛蚊症」が起こることが多いです。眼球の外傷、飛蚊症を自覚した場合は、自分で判断せずに眼科で診察をしてもらいましょう。
眼前にちらちらするものがある
目の前にちらちらするものが見える場合は「飛蚊症」が疑われます。眼球内のドロッとして透明な液体を「硝子体」といい、その硝子体に濁りが生じると影が発生し、糸くずや虫などの浮遊物として見えるようになります。これを飛蚊症といいます。飛蚊症の原因は、加齢で起こるものと重大な病気の一症状として起こるものがあります。
加齢が原因となる飛蚊症は「硝子体剥離」です。これは眼の奥の硝子体が老化や近視が原因で収縮し、網膜から離れてしまう現象です。発症した際は気になりますが、病的なものではないため治療の対象にはなりません。
病気が原因の飛蚊症には「網膜裂孔」と「裂孔原性網膜剥離」が挙げられます。「網膜裂孔」は網膜にあなが開く病気で、「裂孔原性網膜剥離」は網膜のあなが原因で網膜が剥がれる病気です。これらの病気でも、早期の場合はレーザーで治すことが可能なので早めに眼科を受診しましょう。
また「硝子体出血」という病気でも、飛蚊症を発症します。硝子体出血の原因疾患によって治療方法は異なります。「糖尿網膜症」などの網膜疾患が原因となっている場合は、そちらの治療も並行して行っていきます。
暗い場所がとても苦手
「暗い場所がとても苦手」と感じるのは「夜盲症」の可能性があります。また夜盲症は「網膜色素変性症」の初期症状としても知られています。眼科を受診して適切な検査を受ける必要があります。
暗いところでものが見えにくい「夜盲症」は網膜の順応機能が働いていない状態です。これには進行性のものと、進行しない停止性のものがあります。先天性停止性の夜盲症は遺伝的なものですが非常にまれな疾患です。徐々に視野が狭くなる進行性の夜盲症は「網膜色素変性症」の可能性が高いです。これも遺伝的なものですが、5,000人に1人くらいの確率でおこります。栄養不足による夜盲症は、現在はまずありえません。
「網膜色素変性症」の症状が進行すると、長い時間をかけて視野が狭くなり、視力も低下していきます。人によっては失明の可能性もあります。網膜色素変性症の根本的な治療方法は確立されていないのが現状です。病状の進行を遅らせることが治療の目的となるため、症状に合わせて暗順応改善薬・網膜循環改善薬・ビタミンA前駆体・ビタミンEなどの処方が行われます。
網膜色素変性症の注意点は比較的若いうちに白内障を合併することが多いことです。早期に対処するに越したことはありません。気になったら、まずは眼科で検査をしてもらいましょう。
すごく眩しい(まぶしい)
昼時など明るい場所で「すごく眩しい」と感じているようであれば「白内障」か「角膜炎」の疑いがあります。白内障の場合、水晶体が混濁してしまったため、目から入ってきた光が散乱し、眩しさを強く感じます。また、角膜炎の場合は、角膜に炎症が起こり、目から入ってくる光の調整が出来ずに眩しく感じるようになります。
白内障を発症すると、すごく眩しく感じる以外に「目のかすみ」「視力低下」などの症状が出てきます。原因の多くを占めているのが、加齢による水晶体の混濁です。初期の頃は症状の進行を抑えるために目薬を使いますが、それでも病状が変わらず進行するようであれば、手術という選択肢が出てきます。手術も短時間で日帰りが可能なため、体への負担も最小限で留めることができます。白内障は、年齢を重ねれば誰でも発症する可能性がある病気です。だからこそ、早期発見のため定期的に健診を受けることをお勧めします。
角膜炎になると「視力の低下」「目の痛み」「異物感」などの症状が出てきます。その原因は「細菌感染」「ウイルス感染」「外傷」「ドライアイ」など様々なものが考えられます。専門機関で原因に合わせた治療を受けましょう。