糖尿病の眼合併症
糖尿病の合併症の中で代表的なのが、糖尿病網膜症です。糖尿病網膜症とは、糖尿病の影響で網膜の働きが悪くなる眼病です。網膜は、光を受け取る働きを担っているので、網膜の働きが悪くなることは視覚そのものが悪くなるということです。
糖尿病網膜症の初期は、症状がありません。ですが、糖尿病が進行するにつれ、飛蚊症や急な視力低下などの症状が出てきます。糖尿病網膜症は、症状の進行と共に治療法が変化します。進行状況は以下の3段階に区別されます。
●単純網膜症
糖尿病網膜症の初期の段階です。自覚症状は、ほとんどありません。眼科での治療は行わず、内服薬で血糖値をコントロールして糖尿病の治療を行います。悪化しないかどうか、眼底の定期検査が重要です。
●前増殖網膜症
単純網膜症がさらに進行した段階です。視界がかすむ症状があらわれますが、自覚症状が出ないこともあります。治療は、レーザー凝固法を行います。このタイミングで治療できれば効果は高いので、眼底検査を受け、早期発見に努めることが重要です。
●増殖網膜症
糖尿病網膜症がもっとも進行した段階で、増殖膜による網膜剥離をおこす危険性が高まった状態です。そして、硝子体出血という目の中央への出血で飛蚊症や急な視力低下といった症状が出てきます。レーザー治療法が主な治療法ですが、硝子体出血が引かない時、繰り返す時は硝子体手術を行います。
糖尿病網膜症は、症状に気付きにくいのが特徴です。糖尿病の可能性がある方、もしくは治療中の方は、眼科で検査を受けましょう。視力を維持できるかは、発見の早さにかかっています。