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兎眼について

ひらと眼科スタッフの菱沼です。

みなさん、兎眼(とがん)という病名はご存知ですか?

私は眼科で働くようなって初めて耳にしました。

兎眼とは、顔面神経が麻痺するために、その支配下にある目を動かす筋肉が麻痺し、目をきちんと閉じることができなくなる病気です。

目の表面は、通常涙のバリアや瞼を閉じることで様々な障害から守られています。

ところが、目を閉じることができないと、目の表面が常に乾燥して、涙のバリアが崩れていきます。

涙のバリアが崩れた部分の角膜(黒目)に細菌などが侵入すると、さまざまな障害が起こります。

症状としては目の表面の強い乾き、ごろつき感、痛みが起こります。症状が長く続くと、角膜の表面が濁り視力も低下してきます。

治療の第一は顔面神経麻痺を治すことです。

眼科的には対処療法として、次のような対策があります。

・乾燥防止のため、保水効果の高い目薬を何回もさす

・治療用のソフトコンタクトレンズをはめ、水分の蒸発を防ぐ

・就寝時、眼軟膏を塗り、眼帯をする

・室内の湿度を上げ、外出時には保護眼鏡を着用する

ところで兎眼の由来となった「うさぎ」についてですが、うさぎは目を閉じることが出来ないのでしょうか?

答えはノーです。

我が家ではミニロップという種類のたれ耳うさぎを飼っているのですが、寝る時には目を閉じています。

ただ、物音がするとすぐに起きてしまうので完全に閉じているところはまだ数回しか見た事がありません。起きている時もほとんど瞬きはしていないように感じます。乾いていないのでしょうか。答えはうさぎに聞いてみないとわかりません。

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写真を撮る音で起きて半目状態です。

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ロップイヤーラッビットの中でも大きい種類のミニロップです。

起きている時はいつも眼をぱっちり開いています。

祝1周年!!!

皆さん、こんにちは。

 

今回は、“視能訓練士”(orhtoptist)という職業についてお話しようと思います。

皆さんは、“視能訓練士”をご存じでしょうか?

欧米では古くから医療専門職として定着していますが、日本での歴史は浅く、初めて耳にしたという方もいらっしゃるかと思います。

 

視能訓練士は、眼科診療に関わる検査をはじめ、両眼視機能に異常をもつ斜視や弱視の患者様(主に小児)に両眼視を回復させるための訓練およびこれに必要な検査を行います。

 

両眼視機能とは、両眼同時にものを見る能力のことをいいます。両眼視という働きがあるおかげで私たちはものを立体的に見ることができます。両眼視が発達するためには、いくつかの条件が必要です。その中でも、両眼の視力にあまり差がないこと、眼のずれ(斜視)がないことが重要です。

 

人の視機能(視力や両眼視)は9歳前後には大人と同じ機能が完成することが分かっています。それまでに、両眼の視力に差があったり、斜視があったりすると十分な両眼視機能が獲得できないままになってしまいますが、早いうちに治療をすることで正常な両眼視機能を獲得できます。

 

お子様の眼を見て、明らかな斜視があれば見た目で気がつくことができますが、弱視の場合にはお子様自身が「見えない」や「見えにくい」というように訴えることはほとんどないため、他の症状でたまたま眼科にかかり、弱視を発見したということも稀な話ではありません。

 

日常生活においてお子様が、何かものにぶつかりやすかったり、転びやすかったりする場合には、両眼を使って本当にしっかり見えているのか一度、検査を受けてみてはいかがでしょうか。

 

 

ひらと眼科は2014年11月22日に開院し、無事1周年を迎えることができました。

今後も、患者様に満足していただけるような最高の医療を提供していきたいです。

今後もひらと眼科をよろしくお願い致します。                 渡辺